ゾンビに続いての痺れきのこです。
虹色に発色したきのこをうっかり手に取り、謎めいた胞子を吸引してしまったあの日をきっかけに、勝手知ったるはずのキャピトルがどこかいつもと様子が違う。
てなことはもちろんないのですが、散歩途中にふと痺れた東京のかけらを幾つか。
六本木ヒルズの森美術館で行われていた六本木クロッシングへ行ってきました。何かと森美術館との相性がよろしくないのか、どうもすれ違いが多いように感じる私ですが、今回ははたしてはたして。。
それでも展望台からの景色はいつも僕の気持ちを大げさにドラマチックにしてくれたりします。
流行りのウユニ塩湖的な感じ。
石川竜一さん、片山麻真里さん、小林エリカさん、松川朋奈さん、毛利悠子さん、山城大督さんの作品が僕は面白かったです。
ちょうど石川さんは横浜あざみ野で、片山さんはアーツ千代田3331で、そして毛利さんはPleated Image、日産アートアワードで拝見したばかり。
写真はナイル・ケディング氏のマグニチュード。
けど一番インパクトがあったのはミヤギフトシさんの映像作品の中でドラッグクィーンの方が歌っていたクロリスにの場面でした。
この曲のことを知らなかったということが一番大きかったとは思いますが、予想外の歌声に鳥肌が立ちました。
ジェンダー系の作品といえば、数日前に藤元敬二さんの写真展、forget me notを訪れたのですがこちらの会場がいわゆる新宿二丁目で、それが僕にとっていわゆるゲイの方の集まるブロックへの初めての訪問体験でした。
会場のコミュニティーセンターには男性ばかりが15人。
最初こそギョッとしましたが様々な愛のかたちを知ることができたのはすごく大切な経験でした。みなさん本当に素敵な方ばかり。
テレビやメディアを見て何かを知った気にならずに、中途半端な知識はむしろ誤解しか生まないのではないかとも思います、何事も自分の足で一歩踏み込んで、自分の感覚でその世界を知ることの大切さを改めて学びました。ちなみにワスレナグサの花言葉は真実の愛ということは後に知りました。
それにしても、アフリカでは日本以上にまだまだ偏見は強く、国によっては刑罰の対象になっているほどです。
以前にアルビノの人が差別、あるいは迷信のために殺される事件が相次いでいるということを知って本当に絶望的な気持ちになりました。
遠い国の風習ではなく、同じ人間の身に起きる悲劇として知っておかなければならないことだと思いました。
写真は二丁目の路地裏ですが、それにしても濃厚です。
衝撃を受けた東京の夜をもう一つ。
仲良くしてもらっているお客さんに紹介していただき訪れた唐ゼミ。いわゆる舞台なのですが、なんと新宿中央公園にどでかいテントを張ってそこで行われるのです。
都庁の真下にキャラバン。それだけでもう痛快じゃありませんか。興味はあれども、実はほとんど初めての舞台鑑賞。正直どんな演目なのかもわからないまま飛び込んだのですが。。衝撃でした。
在日朝鮮人、あるいは爆買いに訪れる中国人といった、どこか大きなメディアではタブー視されがちな事柄に正面から向かい合い、ユーモラスに、時にシリアスに演じる様に一瞬も目が離せません。
演者さんもすごいスキルで、こんな奇妙な人いないよ笑って設定の登場人物を、最終的には長い付き合いの友人のように感じるほどに親近感を覚えてしまったり。
さらに驚いたのは終劇後に飲み会ですよーと先ほどまで舞台の上で白身お演技を見せてくださった役者さんが唐揚げ持ってきてくれたりして、もう何かなら何までびっくりします。
ネタバレ的な話になってしまうのですが。。
僕が見た演目は君の罠。
君の名はのパロディのようでしたが、あいにく僕は元ネタを知らず、そこだけが唯一悔やまれるところでした。
水が一つテーマになっている話なのですが、最後にテントがぱかっと割れて、噴水、新宿ナイアガラの滝にみなさん突っ込んでいってバシャバシャ水掛け合ったり泳いだりして。。
演劇鑑賞デビューが唐ゼミであったことがラッキーだった半面、どこかデビュー戦にしてエラい深淵を覗き込んでしまったのではないかと思ったりもするのでした。
東京キノコ風景をもう数枚。