青の都ジョードプルの渦の中心にはマハラジャの居城、メヘランガル城が今も鎮座しています。
特に意識してではないのですがほとんど観光をしなくなった今回の旅。それでも尚、1999年に訪れた際、城壁の上から見たブルーシティの街並が忘れられなく再び城壁だけを目印に迷路のような路地を登り詰めていくのでありました。
町と町の間に無限とも思える荒野が広がるラジャスタン、もちろんジョードプルもまた例外ではなく、オーブンのような太陽が強烈に照りつけてくるのですが、それでもなお潤いが感じられるのは町が青いだけではなく、この各地で咲き誇る花の影響も大きのかもしれません。
この日もしこたま迷い倒したのですがこういう小さな癒しに救われてなんとかゲートまで辿り着きました。
有名な観光地でもあるのでまぁ人でごった返していると思いきや意外としっとりした空気。
とある一瞬、前後左右、全く人がいない時間帯がありました。僕と遥か上空の鳥とマハーラジャの気配だけが揺らぐ空間。
色鮮やかな布を纏う一団。結婚式なのでしょうか。
弛緩した時間を滴るように
あるいは迷路のような路地に咲き乱れていた花のように。
荒野の人
なんちゅう顔をしてらっしゃる。。
そういえばメヘラーンガル砦とジョードプルは人気コミック、ワンピースの砂漠の国アラバスタのモデルにもなっているとか。
荒野の人02
荒野の人03。
やはり印象的なのはそのターバン。
シク教のそれとはまた異なる意味合いの、マハラジャ時代の影響、いわゆる民族衣装のようなものなのでしょうか。カラフルに着こなす様はなんともおしゃれで憧れます。
もう一つの迷宮へのお誘い。
五色の迷宮
滞る場所から
五色の迷宮02
照れボーズ
砂時計01
砂時計02
荒野の人04
日本語の音声ガイドを渡され豪華絢爛な宮殿の中を彷徨うように巡っていくのですが、いわゆる観光としても十分に面白いこの城塞。
クシャトリヤの階級、ラージプートが支配する土地がたどった抗争の歴史。
ムガル帝国やイギリス帝国主義の時代を経て今。例えば今という時代に絶対的な権力や財を持つ国家や企業もその勢いを保ち続けることは絶対に無く、いつかはラジャスタンの他の藩王の国のように瓦礫となり砂塵となる、そんな物の哀れのような、繁栄衰退を繰り返すのが歴史が示す万物の業を考えさせられる場所でした。
神々だけが永遠なのか。そうだとしたらアナンタに横たわる姿はどこか憂いを帯びているようにも見えてきました。
ラヴァンハッタ、あるいはラヌワタを奏でる。
荒野の旋律。大空の下、無限に広がる音は哀愁だとか喜びだとかそんな人間のセンチメンタルを大きく超えた旋律のように感じました。
またいつか3度目の訪問まで。
蛇足ですが帰路に路地で牛に刺されました。
路地裏で初めての体験。
周りの皆さんが爆笑しているのでテヘヘなんてリアクションしましたが。もんどり打つほど痛かった。最後の最後に、いわば交通事故です。
それはともかく後はデリーに戻り、旅はおしまいになります。
- 本日の献立と、明日15日は3週目の日曜日のためお休みです
- recollection03 東京ゾンビ