エアアジアは無事にタミル・ナードゥ州の小さな町ティルチラッパリに到着。
それにしても想像以上の小さな空港です。地方都市の空港特有のなんとも言えない澱のように滞った空気が実にいい感じです。
埃をかぶった象の置き物しか置いていないような免税店が一つ。両替商、それと無人のレンタカーのカウンター。ATMはなぜか機械自体がもぎとられておりました。
そしてカラカラ回る扇風機とイミグレなのにジャジャパーン!とはしゃぐ公務員。
さんざん気をもんだ入国審査だっただけについつい悪乗り、踊りながら入国ゲートをくぐると職員さんもやんややんやと笑顔で応えてくれます。大好きだぜインディア。
さて、気持ちを切り替えタクシーワーラー、あるいはリキシャメンの襲来に備えて緊張感を取り戻しましょう。平静余裕を装った表情でそれでいて乗ってやらん事もないぞよと値踏みするような微妙な顔つきでゲートを出たのですが。。あれ?皆さんジェントルメン??
値段こそ怪しいものですが乗らないか?ノーサンキューのやりとりの後が続きません。
安いチケットの因果で夜中に着く経験が多いのですが今回はぽかぽか陽気の午後だし、色々といい意味で予想外です。いい印象は街に出ても変わりませんでした。
もちろん日本に比べたら汚く、騒がしく、怪しい街並みではありますが、どこか穏やかな皆さん。
初日の晩御飯屋さんで出会った大砲の様なマサラドーサ!
家族6人の愛の結晶。おシャンティな晩餐風景に和みを感じました。
一夜明けて早速宿の前の食堂で調理場見学させてもらいました。
それにしてもごはんが美味い!バナナの葉の上に盛る、いわゆるミールスと言う定食ですね。
インド君も故郷の味ににんまり。
市バスに乗り込んで北へ。ロックフォートという巨大な岩山の上にヒンドゥー寺院へ向かいます。
ティルチに限らずインドのバスには運転手意外に乗客を集め料金を回収する男が必ず一人いるのですが二、三十人怒涛の勢いで乗ってきた時もテンパることなく華麗に裁く匠の技。孔雀の様なお札さばきも哲学を感じます。
さてロックフォート。入口は唐突に商店街の中に現れました。規模は小さいながらも賑わう参道。
観光名所という気配を微塵もみせないこのローカル感。正直入るのを躊躇させます。
しかし入るとエレファント!シヴァ派でしょうか。おでこの印がチャーミングです。
参道に巨大な動物を配置し記念撮影して料金をもらうビジネスがまかり通る聖地、さすがです。
岩の上まで階段をひたすらに登っていきます。
靴を脱がなきゃいけない上に階段状に感じる謎ののぬめり、スピーカーを通して流れる読経、日本語では表現できない匂い。あらゆるエキゾチックな感覚がこの細い通路には凝縮され満ちているのであります。
おっちゃんは夢の中。供えられたバナナがシュールです。
上から目線のおこちゃま。
そして黄昏目線のおじさま。
長く薄暗い参道を抜け岩上へ。吹き抜ける風が最高です。
やはり珍しいのか遠足キッズの専属カメラマンのような状態に。
左右共にいい顔してます。
風に乗っかって様々な音が聞こえます。クラクション、結婚式のパレード、祈りの声。
暑いし、うるさいし、臭いし、次から次へと写真撮らされるし。
けど興奮が止まりません。また旅に出たんだなって感じる一時が嬉しいです。
この吉祥の風に乗っかって、ティルチラパリのもう一つのお寺ランガナータスワーミ寺院へ向かいます。