それはもう本当に偶然で。道後温泉から北へ、今治からしまなみ海道へ向かうために北へ車を走らせたのですが途中左手に素通りできないインパクトを放つ仏像が視野に。 言葉にできないような引力。写真を撮ってすぐにリスタートするはずだったのですが想像を上回る参拝客と次々に現れる少し奇妙な、かつてタイやラオスで拝観させてもらったような、失礼を承知で言わせてもらうなら珍仏の姿が次々と。 本当に少しだけお参りしてさせてもらうつもりだったのです。それがまさか。。
入ってみてはじめてここが彼の高名な四国八十八か所の一つ、石手寺ということを知りました。専門店ならではの巡礼アイテムの充実に高揚! 熊野古道、サンティアゴ・デ・コンポステーラと並んで憧れのお遍路。 メッカもそうですがいくら時が流れて便利なツールが世の中に溢れても自分の足で決められた道のりを、国籍や社会的地位といった様々な分け隔てなく想いだけを胸に旅をする巡礼という旅路に大きな憧れと敬意を持っています。 いつか自分も歩くことがあるのでしょうか。その時は何を想うのでしょうか。
わらじはXL。ビッグフットを前に緊張で背筋が直角です。
立派な境内で特に印象的だったのが折鶴。 千羽鶴、これも巡礼と同じでその過程の中で願う事、思う事に大きな意味があるのかもしれません。
虹色の羽音。千の共鳴。引き込まれてしまいます。
四天王と浮遊する毬。
奥に進むにしたがって独特のタッチの木彫りが増えてきたことに気が付きました。円空や木喰とも少し違うような異形の仏。パワーあります。
ユーモラスな石像も。お互い見つめる先は完全な虚空。あるいは寝不足か。帽子もお揃いですね。
境内の奥、マントラ洞窟。ゼロライトです。ダイアログインザダークに引けを取らない闇の中ぽつりぽつりとお地蔵さん。たまりません。 先はあるのでしょうか。ぽっくりいっちゃいないだろうなと疑心暗鬼になりながら前進一択。
なんてことでしょう。地獄行きでした。しかも英語表記。welcome to hell。
さっぱりわけがわかりません。地獄の遊歩道には朽ちたガネーシャの様なコンクリート像。演出なのか、あるいは。。
そしてコア部分。本当に予想だにしていなかった奥ノ院。金色風景に彼岸を感じました。
周囲を取り囲む木彫り。羅漢でしょうか。この目力‥。
正直鳥肌が立ちました。 あとから知ったのですがこの金色パゴダ、中に入れるようで。そこには円形の広間に真紅のソファー、そしてその一点を見つめるように配置された無数の羅漢像とのこと。 正直入らなくってよかったのかもしれません。
奇妙な空間が気にはなりましたが、洞窟を戻ればここは由緒ある聖地。 海外とも交流が盛んなようで、ふと空を見上げるとモンスーンの空の下でみたパゴダ。
黒猫と白象。まだなにか不思議な世界が身の回りに漂っています。
現世に戻った時は時間は10年ほど進んでいて2025年。ということはもちろんなかったですが2,3分で戻るはずが2,3時間滞在してしまった事は摩訶不思議と言わざるを得ません。 いつか自分がお遍路を回るとき、2015年の奇妙な滞在を思い出し笑いする時が楽しみです。
- 四国01。猪熊さん、そして道後につかる。
- 急ですが26日よりマサラ旅。