以前より複数の方よりオススメされていた宇宙ミュージアムTENQ。東京ドームシティ内という立地に不安を抱えながらもニールアームストロングの言葉に従い、小さな一歩、踏み込んでみることにしました。
水道橋駅を降りて驚いたのはいきなり始まるアミューズメントな王国。
なんだかどこに居場所を見つけていいのかわからず戸惑ってしました。
ところでお恥ずかしながら最近メリーゴーランドに興味津々です。
美しくもどこかもの悲しい、行き先の無い乗馬体験。
目的地は宇宙のはずなのに、僕の気持ちもカルーセルの渦に引き込まれ抜け出すことができません。
なんとか思いをふりきっていざテンキューへ。さきほどまでの寂しい気持ちは未知との遭遇でふっとびました。
プロジェクションマッピング、そして目玉の覗き込むプラネタリウム、シアター宙を堪能。
パーフェクトっす。銀河に向かってブラボー!と絶叫してからの月面浮遊。
心は無重力。コスモノート気分で母なる地球にしばしの別れを告げます。
そんな宇宙では何が起こるか想像もできません。偶然やっていた企画展~宇宙怪獣から読み取るメッセージ~にてバルタンズと遭遇。
一説によるとヨーロッパの火薬庫バルカン半島が名前の由来とも言われているバルタン星人。核実験により故郷のバルタン星を失ってしまた彼等。たまたま居住できる環境の地球にすがる思いで移住しようとしたバルタン星人とそれを拒む人間のジェノサイドの話。
幼少の頃感じた不気味さはその蝉ザリガニを思わせるビジュアルだけではないと思うのです。
ザラブ星人、メフィラス星人、ケムール人。物心ついた頃に身の回りに彼等がいた事は良くも悪くも今の人格形成に少なからず影響を及ぼしているのではないでしょうか。
今知ったのですがザラブはブラザーのアナグラム、メフィラスはファウストのメフィストフェレス、そしてケムールは煙(笑)が名前のモチーフだとか。そのスプリンター真っ青なトランシーな走り方が伝説のケムール人。たまりません。
そしてゼットン。ウルトラマンの死をこの世はいつだってハッピーエンドじゃない、理不尽な暴力と向き合わなくてはいけないこともあると幼心に感じました。
こちらは本館。衛星の表面にうっとり。80年代風のデザインに夢のある未来を感じて胸が熱くなります。
時としてアブダクト。知らない内にチップの一つや二つ埋め込まれていないと誰が言いきれるものでしょうか。
ほとんど人のいない夜の遊園地はやはりどこかもの悲しく、それでも最後に壁に記されていたTENQベリーマッチの一言にニヤニヤしながら軽やかな足取りで帰路につくのでありました。