ちょうど長崎のランタンフェスに行く直前、長崎出身の友人から熱烈にオススメしてもらった場所、池島を訪問しました。
時代の流れに伴い役割を終えつつある石炭。いわゆる軍艦島と呼ばれる端島からそう遠くないこの島もまた一つの時代の節目を超えて静かに眠りにつこうとしている小さな島なのです。
しかし完全に時が止まった、いわゆる廃墟とは違いこの島にはまだまだ島民の方が暮らし、浜辺に打ち寄せるさざ波のように静かな営みが繰り広げられていました。
途中立ち寄った佐賀の有田がどうにも興味深くて思わずフェリーを一本乗り過ごしてしまいましたがなんとか最終便に間に合いました。実に出航3分前。
小さな港の小さな船。日の沈む頃が迫る時間。乗客は僕一人でした。
プライベートクルーザーの如く。
船舶特有の厚み、そして擦り傷のフィルター。島国の出身なのに船旅はいつも異界への片道旅のような錯覚を僕に感じさせます。
到着して早々ですが僕の乗ってきた船がそのまま最終便。残された時間は60分。右も左もわかりませんが飛び出します。
タイムカプセルがおもむろに道の端に。開封済みなのでしょうか。
静まり返った団地を銭湯帰りの老人が一人。港以外で人の影を見たのはこの時だけでした。
種子を満たした船が歓迎してくれました。

トロッコ道

パイプ道

そして海に滴る何かの線

排気することやめた排気菅
骨だけは残る。

以前軍艦島を訪れた時は人生でも最大級の豪雨でした。そして今日は凪。

傾きが止まらない太陽

椿一輪

はじめてなのに当たり前のように懐かしい風景
8階建ての無人マンションがあると聞いていたのですが道の半ばでタイムアップ。また来るさ
藍と茶と透明な風。この時はアイスランドを思い出しました

ほぼ無人の集合住宅は猫のたまり場に。気づいた時には包囲網。

時間切れ。ついに日は沈む。

日が沈むと一日が終わる暮らし、そしてまた明日も当たり前のように海から日は昇り、時計の針のように波は繰り返す。
一日は僕が思っていた以上に規則正しく、単調で、美しい。そんな当たり前のことを改めて思いました。

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