%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9088埼玉に続き、行ってまいりました茨城県。北関東入り浸りです。
以前に海浜公園にネモフィラ見に行って以来の訪問ですが今回はそこからさらに北が舞台。
さてこの県北芸術祭、1日でざっくり見るなら東の海側か西の山側を選ばなくてはならないほどに広大なフィールドで繰り広げられているのです。
どちらかがメインで片方がおまけという感じでもなく、どちらもひたすら楽しそうな悩ましい配置の展示なのです。
もやもやしている間にも特急列車は北へ。景色は流れ、コンクリートの森はいつしかのどかな田園風景に。関東とはいえここまで来るといい旅夢気分です。
予習に費やすべき貴重な時間をうかれてお菓子なんか頬張っているうちに、あっという間に近未来型ステーション、日立駅に到着です。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9083-2窓から差し込む虹色の光。到着と同時に作品の中に包まれる喜びに、ついついうかれてしまいます。%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9095とにかく広大なエリアを回るに当たってとりあえず足がないと始まらないとレンタカーを借りてさらに北上。天心記念五浦美術館のチームラボの作品から見学することにしました。
ちなみにこの天心、すなわち岡倉天心の美術館なのですが、空間を贅沢に使って凄く居心地の良さそうな美術館でした。ゆっくり常設なども見たかった。
さらに岡倉天心って誰だっけ?と思って調べるとすんごい素敵な方で二度びっくり。
廃仏毀釈からの美の救出はもちろん、ヤンキー、モンキー、ドンキーの件に代表される鋭い牙にもまた魅了されます。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9098さらに今から100年以上前にインドとの関わりもあったりして。プリヤンバダ・デーヴィーとのロマンスも含めて、今更ですが好奇心が刺激されます。
偶然か必然か、施設内にはインドのアーティスト、ミトゥ・センさんの作品が。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9115チームラボの作品は良くも悪くもいつも通りと言った感じでした。どこかそっけない感想なのはすっかり時代の寵児のようになってしまってどこか寂しい思いもあるのかもしれません。もちろん作品の前にいるときはひたすらはしゃいでしまうのですが。
ふわふわ落ちてくる漢字におさわりすると画面上にエフェクトが広がるということです。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9148ここで私、初めてのVR体験。すなわちバーチャルリアリティーです。このゴーグルというかヘルメットみたいなのかぶるとふわふわ青空に浮いた気持ちになり、右手のコントローラーで360度お習字ができる、ざっと言うとそんな感じなのですが、強烈だったのはその体験よりも、VR真っ只中の人を外から見る経験でした。
公衆の面前で完全に常軌を逸した動きを披露する皆さん、そして僕。
楽しい以上に思うところ色々ありました。。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9159とはいえこんなお手軽で、憂のない、夢のような未来がお茶の間に広がるまであと数年なのでしょう。
人生や旅が、いわば経験の集約だとするならばこのバーチャルな経験で得る経験との差異は何なのか。揺り籠から墓場までVRを見続ける人生もいつの日か生まれてくるのかと思うと、SFだと思っていた輝かしい未来になんだか憂鬱な翳りを感じてしまう今日この頃です。
加速に拍車がかかり便利の先にあるものに到達してしまう前に、僕はこの辺で踏みとどまりたいな、そう思います。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9173さて気分を変えて。同じ高萩市にある古民家、穂積家住宅へ。
陶芸家に寄って作られた多軟面体なる物質が集まり、日本庭園に奇妙なミステリーサークルを描いております。伊藤公象さんの作品。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9189こちらは館の中。
天を仰ぎ、地に立つ者として。
生花をベースにしたインスタレーションだとか。土が持つ下に向かうベクトルと、光に向かい天を目指すベクトルの対峙と関係性、そして何よりも暗い部屋に案内されてこのインパクトのあるアイキャッチが印象的でした。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9204ここまではずっと海サイド。とはいえ運転中に感じる潮風以外はあまり作品や展示場所に海を感じさせるものはなかったように思いますが、ついに波打つ海岸にて珍獣を発見。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9210こいつはモイキーだぜ。。なんて思っておりましたが説明を読むと、仮の宿に住まう人間の努力や生命力、新しい肉体への魂の旅を表現している。とのこと。
わかる人にはわかる、のでしょうか。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9221もう一つの浜辺。イリヤ&エミリア・カバコフの作品、落ちてきた空。
曇り空とのコントラストが気持ちよかったのです。%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9234ここで欲が湧きました。そう、ヤマが恋しくなってしまったのです。
無謀とは知りながらも僕はこの欲望を制御することができませんでした。。
波打ち際に別れを告げ山道を西に向かいます。目指したのは旧家和青少年の家。
結論から言ってしまうとここで見たザドック・ベン=デイヴィッドの作品、ブラックフィールドが僕の中でいちばん好きな作品となりました。

黒い森を抜けると。。%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9241その先には彩、溢れる花が咲き誇っていました!
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9245シンプルで、そして一瞬で心を奪うインパクト。驚き。そしてどこか人生に対する暗喩的でもあり、ポジティブ。最高じゃないの。
幸せな気持ちになりました!
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9278同じ施設の中ではワン・テユさんのインスタレーションも。水蒸気の中のような。蒸される幸せ。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9280人類とは本能的にモコモコしたものを見ると突撃したくなるものなのか。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9294素晴らしい展示でしたがやはり海山の両立は少々無謀でございました。時刻はすでに夕方。登山もまた然り、山では引き際が大切なのです。
日立駅に戻りシビックセンターで気になっていた作品、クリスタルパレスを見る。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9297ウランガラスを用いた怪しい光を放ちながら、不揃いの大きさのシャンデリアが浮かぶ意味。
副題は万原子力発電国産業製作品大博覧会。
%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-9312屋外では野生に帰りつつあるバスが駐車してありました。その名もノアのバス。乗客はうさぎとニワトリ。。
そして最後にシビックセンター内にあるプラネタリウムで見る映像作品3本立て。ほぼ徹夜にロングドライブの後だったので正直うつらうつらとすることもありましたが木本圭子さんのvelvet order(柔らかい秩序)、そして榊原澄人さんのSolitariumが印象的でした。
いい夢、そして悪い夢。天井を見上げると緩やかに回転するスクリーンと映像。
目が閉じているのか、開いているのか。多分その真ん中でした。

しかしまだまだ見たい作品をがっぽり残してのタイムリミット。特に山側は一会場しか行けていません。まだ元を取っていないパスポートも購入したことですしどうやら再訪せざるを得ませんですな!

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