毎年桜と足並み揃えてやってくる春の雨を運ぶ低気圧。凛とした冬から一転、弛緩したような春雲が心にも、もやも溢れ出し覆い尽くす今日この頃。
7年に一度。御霊震える御柱祭りだってのになんか天気が悪いらしいとか、そんな理由でボイコットしようかどうしようか迷って前日夜更かましたりしましたり。
しかしそれでも7年という歳月の重みはやはり大きかった。7年後の君は果たしてのんきにお祭り観に来れる人生かしらん?ん??と重力のようにじんわり問いかけられているような気がしまして。
気がつけばいつも中央自動車道。
そんなこんなではるばるやって来ました諏訪湖の南、茅野の街。今回僕が訪れたのは下社の御柱祭りなのです。最初こそ道に迷ったりもしましたが祭囃子を追っていきますと出会いました御柱!すごい人だかり!
まったりし過ぎたせいでいわゆる御柱のアイコンのような存在になっている木落しは終了済。ま、これは家を出る段階で分かっていたので致し方ないのですが。
ちょうど昼休みを終えた若い衆が上社御柱のシンボル、メド梃子に登っていきます。
そして、ピラー始動!!
上空のお兄ちゃんたちは実に優雅で気持ち良さそうなのですが、下々の皆さんは文字通り引きずって引きずって前進あるのみ。古の時代と変わらぬパワープレイに血沸き肉踊ります。この盛り上がり!男、男、男!!
祭りというよりは神事。大太鼓や笛の音で古風に決めるのかと思い込んでいましたが、BGMは意外とポップ。ちんどん屋さん、ブラスバンド、ブラスバンド音色がどこかパレードのように神木を誘導します。
こちらはヒューマンビートボックス真っ青のドラムレディ。
ファンキーな後頭部。
これは御柱祭りの間中ずっとだったのですが、古代ギリシャの船乗り達をその歌声で魅了してエーゲ海の底へ連れて帰っていたという妖、セイレーンを思わせる謎に満ちた高い周波数の歌声がどこからともなく聞こえてきます。発信源はどうやら地元のマダム達。
僕の知っている民謡とはどこか違うエキゾチックな怪しい響き。あれは一体何だったのでしょうか。。
途中交差点があるのですがここを一同ダッシュで乗り越えていかなくてはいけません。
ご近所のお子様がビートを刻み緊張感を生み出します。
信号の向こう側にはネコ!チルアウトを促すような静かな視線を室外機の上から送ってらっしゃいました。
そしていよいよ川越しが近づいてまいりました。木落しと並んで御柱祭りのハイライトとされているこの河川敷ですが、ベナレスを流れるガンジスを彷彿とさせる人の大河!
入水の瞬間がハイライトではあるのですがとてもカメラでどうこうできる感じじゃございませんでした。無念じゃて。。
縄運ぶ人々。幸い天気には恵まれましたが信州の川の水はびりっと痺れるほど冷たいのです。
落とすのはまぁあれですが、この大木を再び陸にあげる作業はハラハラするほどに大変そうです。
これでこの日の柱移動の行程はおしまいです。なんだか緑のホワホワを持っている方が多かったのですがこれは一体何なのでしょうか。プチ御神木?
ご近所さんではミニ御柱のようなものが一軒一軒に踊りのようなものを振舞ってオヒネリのようなものをもらっていました。
観光客にとっても魅力的な御柱祭りですが地元の方にとっては人生のリズムのような欠かせない節目になっているのかもしれません。
しんみりする間もなく、次から次へと御神木リレー。
次回は下社でのダイナミックな木落しを見に7年後にお伺いさせてもらいたいなと思いました。