谷川岳の夢と土合駅の雨

On 2015年7月20日 by pointweather

tanikawa11久しぶりに山に登りたいと思っていました。あるいは変な話ですが登らなくてはいけないような思いに駆られていました。

元々膝があまりよろしくないため雲海を眼下に見る世界への憧れはあれどもどうにも腰が引けてしまって。あるいは登頂した時のカタルシスは欲しつつも、それを得るための永遠に続くのではと感じる長い長い登山道を歩く時間に恐れをなしていたのかもしれません。
ゆっくり登ればいいとはわかっていても仲間を誘ってだと大勢の足並みを乱すとなんだか迷惑なのではと変に引っ込み思案になったり、ならば単独でと思うとこれまたどうも気分が乗りきらなかったり。
そんなこんなで今回訪れることになった谷川岳は微妙に首都圏から近いという事もあって、3,4年前から行こか止めとこっかともじもじを繰り返していた山でした。
tanikawa14実は色々理由があって二ヶ月近く生まれてきた赤ちゃんと会うことができていなく、なんだかずっとふさぎ込んだ気持ちになってしまっていて。
山に登るという行為よりも、今、閉鎖感を感じてしまう毎日とは違う場所に行き違う空気を吸いたくなりました。ずっとやりたかったことを解放していくうちに見えてくることもあるのではないかと考えるわけです。
そんなこんなでロープウェイ、そしてリフトと乗り継いで天神峠へ。
tanikawa06最大にして最悪のお弁当を車に忘れてくるという手痛い失態はあったもののいつになく身体は軽くすいすいーっと進んでいきます。なによりがっつり晴天、これだけで心がしゅわしゅわわと軽やかになっていく気がしてきます。
tanikawa03山以上でも山以下でもなく、人間の都合でそこに価値や意味が付け加えられていない風景を見れることが何だか嬉しくて。
連休という事で渋滞できてしまうほどに混雑はしていましたがそれでも色々考えてしまう時に出会えて嬉しい景色でありました。
tanikawa04天狗のトマリ場辺りで景色はまたぐんとよくなってきました。
ふとなんかどこに行ってもいつも時間気にして、目的を達成するために急いでるなと思っていて。
頂上ガスってるし。なんだかあえてがつがつしないでしばらく稜線を境に現れては消えていく雲を眺めてみたりすることにしました。
tanikawa07ごろんと転がってぼんやりしきっていると、いつの間にかがっつり眠ってしまいました。けどそれは本当に気持ちのいい時間で。なにかもう忘れてしまいましたが、すごくいい夢を見た気がします。
めずらしく時間も体力も余力があったけど、あえて登頂しないことに何かしらの意味を見出せたらとも思い、そのまま頂から流れる滝のような雲を眺め続けておりました。
はた目にはもはや妖怪のように映っていたのではないでしょうか。。
tanikawa09aなんだかしばらく住んでみたくなるような世界でした。
tanikawa10ホタルブクロのような花。
tanikawa13きっと花なんて当たり前のように普段の生活の中でも咲いているのに。あたりまえじゃない所に来て初めてその姿を慈しむことを知るような気がします。
tanikawa12苔だかなんだか。
tanikawa15餓鬼道に堕ちた魂のように車に駆け込みサンドイッチをほおばって復活。
昼寝かましたせいで時間もけっこうなことになってしまって、いつぞやに訪れて衝撃を受けた宝川温泉を訪ねるはずがタイムアップ!
天国への扉が閉められたなら地獄巡りじゃ!とばかりにもう一つのお目当て土合駅へ。
そう、ここは知る人ぞ知る日本が世界に誇る地底駅なのです。
tanikawa16プラットホームまで10分とは聞いていましたがその長さよりも醸し出す通路の雰囲気に恋が芽生えました。
tanikawa18aその退廃美にブラボーと言いたい!
tanikawa19そしていよいよ深淵へ。。
階段の数は462。ざっくりプラットホームまで10分とのこと。
ちなみに一日の利用者数はざっくり20名様。
tanikawa20先の方はもう霧がかちゃって見えない状態。途中に休憩用のベンチがあったのが印象的でした。
tanikawa21ようやく最下層、プラットホームへ。
かつては谷川岳に登る登山者がここで野宿したらしいですが。。トイレとか怖すぎます。
tanikawa22登りは本気でしんどいです。階段横の空間はエスカレーターが入る予定だったらしいですが今は地下水が流れ、さらなる秘境感を演出する始末です。
tanikawa23光のある空間に戻ってまいりました。
tanikawa24あれだけ天気の良かった谷川岳だったのにいつの間にかどんより。この数分後にはバケツをひっくり返したようなスコール。天と地と、太陽と雨。
またいつか、ここではないどこかが必要になった時に再び訪れる事があるかもしれません。その時はまた雲と夢を見れたらと思います。

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