海外で成功し凱旋した華僑の家。開平の楼閣、碉楼。
広東省の省都広州からも離れたのどかな田園地帯に突如にょきにょき生えだす
怪しげなコンクリート製タケノコのような建築物。
ビル以上、館未満のあいまいさが気になるのです。
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そんな奇妙なタワーハウスがにょきにょき群生する謎めいたな村、開平。
これまたバス停にいた素性の一切わからない謎めいたおじさんのバイクに乗せてもらってぐるっと旅してきました。
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水害の多い土地柄故の高層型。
それに加え、その巨額の財を狙った賊、あるいは猛獣からのセキュリティ、
そしてアメリカ、カナダ、各自が移住という旅の先で見た、
羨望の対象だった豪邸を記憶と印象を頼りにビルド。
結果、とても堅固で見ようによっては美しい、そしてとてつもなく場違いで謎めいたお屋敷が完成したとのこと。
そのいびつで個性的な建築様式、どこか福建で見た土楼を思い起こさせます。
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客家円楼と異なる点は、その内部に住む人は今はもう無く遺跡、あるいは廃墟として観光客に解放されていること。
一部残された調度品からは彼等のいた階層の高さが窺い知れます。
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しかし中国も広東まで下ると完全に東南アジアの気候と風景。
水田には水牛やアヒルの群れががうろつき、人々の気質も陽気でのんびり。
写真の女性には健康にいいらしいハイパー梅干みたいな怪しい乾物を頂戴しました。謝々。
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遠い異国の地から祖国への名誉の帰省。
まさに錦を飾ったわけですが、故郷の反応は賞賛よりもねたみや嫉妬。
なまなましくむき出しの感情と業、そして防衛と徹底抗戦のリアクション。
その歴史を逞しいと感じるか空しいと感じるか。
中国、奥が深いです。

5 thoughts on “all along the watchtower”

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