beijin01今回のチベット旅は突然の催行決定、そしてマイレージ使用という事もあっていつもにも増してどたばたスケジュールで幕を開きました。そんなこんなで常軌を逸した経由地北京での8時間トランジット。熟睡しても普通に目が覚める、どうしろってのこの長時間。
映画四本見続けるのも悪くなかったのかもしれません。しかしせっかくの旅の中、限られた時間ではありますが街に出て徘徊しない手はありません。

だがしかし、嗚呼しかし北京。
前回訪れたのは実に99年だったでしょうか。プーシ―、メイヨー言われ続け哀怒入り交じった夜叉気分で過ごした日々。
濃厚だった愛と憎しみのチャイナタイムを思い出し、そして記憶を反芻。乙女の憂いと悪魔の微笑を混ぜ合わせたような表情を浮かべ、私一人彼の地に足を踏み入れることになりました。
beijing02とにかく度胆を抜かれたのはその空気。
霧や霞といったふんわりした現象とは明らかに一線を画す濁った空。
以前より鼻毛の伸びるスピードが目に見えると笑い話をしていたスモッグでしたが陽光を遮るほどの濃度に達していたとは‥。恐るべしPM2.5。
beijing08そして人々もなんだか、少し落ち着かれましたか。あるいは自分がおっさんになったのか。
以前にモロッコに行った時のも感じたのですが少しづつ世界中で様々な差が無くなってきているような、そんな気持ちになりました。
それはいい意味では肌の色や生まれながらの貧富による差。寂しい意味では民族固有の個性や文化なのでしょうか。
旅がしやすい、嬉しくもあり複雑な気持ちで歩く果ての見えない北京の大路。スマホやタブレットの光が怪しく霧の中で光り続けておりました。
beijin03しかし一歩裏通りに入ればこういった懐かしい食堂群も。
漢字のイメージでオーダーしてとんでもないものが出てきたりするルーレット的なスリルのある中国の食事時間が大好きです。
beijing04天安門の巨大な紅い花。
beijing05道で物売るおばさんと揺らぐ狂った色彩のリボン。
beijing06未だ若い兵士は目をそらさなかった。
beijing07チャイナマーチ。中華の行進を見つめる群衆の視線は熱かった。
beijing09エアポートバスもがっつり渋滞にはまりなんとも言えない徒労感と共に駆け抜けた北の都。この日の大気汚染度は5。maxは6。
週末に体感できるという微粒子状汚染物質の砂嵐。せっかくだからとびっきりのやつを味わってみたい、そんな恐ろしい好奇心がもたげる乗り換え時間でした。

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