出羽三山で清らかな循環に触れ、いつもより大地を踏みしめる足がじんわり温かいような気がする、そんなほかほかした気持ちで訪れた鶴岡市、即ち日本海。
危うかった経営の中、クラゲに特化したことで起死回生。奇跡の復活を遂げた事で一躍有名になった加茂水族館が目的地なのです。
丘クラゲと異名をとる私としては是非御挨拶に伺わねばとふわふわやってきました。
いざ!
クラゲマニアの聖地と言えども最初から最後までふにゃふにゃなわけではありません。
骨格しっかりした魚群に当初の目的も忘れ興奮。海のブリザードに撃たれたい!
そしてカラマーリとの邂逅。人類でなければイカでも問題ありません。
こちらはオクトパス。さすがの貫録です。吸い付かれたくないけどちょっとだけなら試してみたい。。タコと東北の狭間でゆれる男心と吸盤。
あたりの照明も少しづつ落とし気味に。映画が始まる前のあの緊張感に近い空気。
深く、そして静かな核心部へ足を踏み入れるのでありました。
ふにゃついたミルキーウェイを超えて。いざ軟体の海へ。
真夏の空の彼方に見た、入道雲と夕立の遠景か。
クラゲ・ビッグバン。
僕の前世だったかもしれないほど水槽の中の宇宙に魅入ってしまいました。
そんな輪廻へのメタファーか、水槽の中の流れに従って彼等は時計回りにひたすら回り続けていました。
目も回りかなり危うい催眠状態。
人はその寿命をまっとうするとクラゲに生まれ変わるのでは。。
何故か哀愁を感じるゼラチン状の漂流者。人生と人生の狭間なのでしょうか。
だとしたら無防備でその厳しい大海で漂流を続ける理由もなんだかわかるようなわからないような。
そんなばかげた、うすら寒い妄想がもやもや沸き上る水槽の中の世界。一匹として物言わぬ彼等から真実を聞き出すことはできません。
それにしても恐るべし加茂水族館。クラゲ数におきまして実にギネスの記録更新。長居し過ぎたのかなんだか冷や汗かきました。