存在を知った時にはイベントは既に終わっていました。
BCTION。
四谷にある取り壊しが決まった廃ビルを数日間の間だけ、本能のおもむくままやりたい放題といった、極めて衝動的なコンセプト。
誰もがほんわり妄想するプロジェクトなのかもしれません。とはいえ安全、責任、資金、権利などといった諸事情たちが絡み合ってなかなか夢物語になってしまいがちなジャパンの昨今。
きっとこの四谷の片隅、ニュー麹町ビルは様々なタイミングがいい具合に重なった特異点なのでしょう。
そんなイベントが今度こそまさかのアンコールopen。最後のお披露目があると聞いてお店閉めてから急いで訪問してまいりました!
NEXT!次はもうない。しかしその燃え尽きる前の勢いはひしひしと感じてきました!
塗!塗!塗!東京の隙間を埋め尽くす色。
地下一階はテクノでございまーす。
6階はパーカッションでございまーす。乱打乱打ランダダダダ‥。
BCTIONとは一つのアクション「A」が次のアクション「B」を促すようなクリエイティブが連鎖することの意、だそうです。
部長のデスクに現れた虹色美女の幻想。
鏡面の教訓、あるいは意味を持たない反転した呟き。
このイラストレーターさんの仕事が大好きです。
文字曼荼羅INC
我が社は涅槃の渦に消えた
僕のデスクはケルベロス。地獄の番犬。
彼女のデスクは菩薩に。ブッダコーポレーション。
上階のオフィスは成層圏の向こう側に移転。というか時をも超えたかと思う様変わりに。
四谷から水星支社へ。
妖怪ウォッチ。果ての無い、終わりの無い、そして救いすら無いかもしれない経済活動へのメタファーなのか。
すべてのフロアに毒とユーモアのある言葉がちりばめられていました。毎晩お風呂で鼻の穴覗き込んでにやにやしています。
栄枯盛衰。どこか自然のサイクルを思わせるビルという都会の大木の死。そして鮮やかなバクテリアや菌類を思わせる怪しげなアート作品による解体。
死を思い再生を意識するための通過儀礼なのか、はたまたひたすら酔狂な大都会の仇花か。
いずれにせよ興味深いプロジェクトでありました。