先週のお休みの日。
起きたら夕方だったってのは本当に久しぶりです。
ほとんど夏至ってことで体内の時計的な部分が油断したのでしょうか。
せっかくのお休み布団の中で完結するのはもったいない。
あれこれ行きたいところはあったのですが、六本木の新美術館にクリスチャン・ボルタンスキーの展示を見に行くことにしました。
それはとても怪しく、興味深い展示だったのですが、その少し前。
ミッドタウンの地下の通路で展示されている武本花奈さんという写真家の方の展示、This is ALS。

偶然通り掛かっただけ、さらに寝坊して急ぎ足だったこともあり、最初素通りしたのですが、ちらっと見えた患者さんらしき人の呼吸器についていた器具や管の写真がなぜか気になって引き返しました。

ALS。筋萎縮性側索硬化症。
僕の大学時代の友人、一緒にバンドもやっていた仲間が発病、亡くなった病気でした。
遠い国の紛争や貧困ではなく、それは前触れさえなく、すぐ隣、あるいは自分の元に訪れるかもしれないこと。
そしてそれは恐怖でありますが、向き合ってしっかりと生きている人たちがいることを改めて教えてくれる、すばらしい展示でした。

自然界で、生きることを途中で諦める命は多分存在しないのではないでしょうか。
改めて人間もまた命を燃やす存在のなのだと思うのでした。
そして友人のことを改めて思い出しました。
大学時代、一緒にミッシェルガンエレファントを聴いて興奮したり、
少し背伸びしてブルースについて語ったり、
新卒で入った仕事を数ヶ月で辞めていいものかと夜中のファミレスで語ったり、
いつの間にか連絡取らなくなって、久しぶりに先輩から連絡きたら、いきなりお見舞いの話だったり。

哲学的な意味ではなく、本当の意味で人生は短いかもしれないです。
病気のことを知ると同時に、動けなくなった時、そして最後の時に本当に必要な物は何なのか。
病室には彼が大好きで、そして僕があまり好きではない桑田佳祐のポスターが貼られ、僕の知らないかっこいいロックバンドの曲が軽快にラジカセから流れていました。
英語で歌っていましたが、桑田佳祐だったのでしょうか。だとしたら彼にあやまらないといけません。
言葉は一方通行でしたが久しぶりの音楽談義、僕は一生忘れないと思います。

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