最近(何度目かしら)意識して読書をするようにしているのですが、亀山亮さんの一冊、衝撃が走りました。
作家さんのお名前は聞いていたのですがここまで壮絶だったとは。
タイトルは戦場。

ジャーナリスト、それも個人が中南米、パレスチナ、そしてアフリカと人間の醜さを追うように写真を撮るのはどうして何だろうと興味がありました。自分とは直接の因果関係のない土地や宗教や利権問題。
命の、あるいは心が壊れてしまう危険を冒してまで得たいものは何なのか。心の充足なのか歴史に残るような一枚の写真なのか、あるいは言葉にはできないものなのか。
しかし本を読み進めると、そういった理由なんてが全くどうでもよくなる世界がこの世には確実に存在していて、そこでは写真をとる意味云々はもちろん、国連もODAも愛想笑いもそれでも彼らはたくましく生きているなんて言葉も等しく価値のないものなのかもしれません。

特にアフリカ最深部。理不尽なんて息をするように当たり前で、特に理由なく大切なものを奪われ殺される世界では、大きな金、権力を動かせる力、それがなければたった一つの人権や命も守れない。
それでもなお足を踏み込み、命を燃やすほどの衝動があるのならば、きっとレンズは大きな刃に、あるいは希望の光になり得るのかもしれないと思いました。
本当にすごい。
お店の本棚に置かせてもらいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください