写真の展示のステイトメントも出来上がったのでご紹介させてもらいます。

等しく雨が降り、等しく灰になる
幼少期を中南米、プエルトリコで過ごした自分にとってサウナのような温度と湿度は文字通り理屈ではなく肌で感じる懐かしさのようなものを感じます。
特にカテドラルと呼ばれる過剰なゴシック様式の教会を訪れると、子供の頃に感じた畏怖にも近い感情が鮮明に蘇ってきます。

あふれんばかりの街の光の中から一転する門をくぐった後の暗闇と静寂。表情を読み取ることのできない天使や聖人の像、そよ風はどにも涼しくなっていないと感じる天井で無気力に回る扇風機。物質的なものだけではなく、全てのものの動きを止め、不思議な揺らぎを感じ させる空間。

今回の展示はそんな不気味にも似た教会は、今も昔も世界の貧困や 理不尽にどうして距離を置いた世界として存在し続けているのだろうかと言う問いから生まれました。 カトリックを信仰する友人に色々話を聞いたりする中で、神は沈黙 しているのではなく私には声が聞こえていますよ、という話を聞いた後で、僕も少し考えが変わった気がします。
無宗教の僕の元にも、彼女の元にも、裕福な人にも、そうでない人にも。

全ての人の元に平等に降り注ぐ雨と人生の限られた時間。 災いであり恩恵でもある、天からのリアクション。 その二つが交差するマニラの墓地で暮らす人々の写真を中心に写真をセレクトさせてもらいました。

また不細工ではありますが、ブックも一つ作ってみました。
よかったらご覧になってみてください。

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