高野山の写真集、一山以来ずっとファンだった古賀絵里子さんの最初の写真集、浅草善哉。書庫に置かせてもらいます。
ずっと存在は知っていたのですがなかなか手に取る機会に恵まれなかった写真集でした。先日ギャラリーで展示としてみる機会に恵まれ、どうしても欲しくなりずっと探していた一冊なのです。
中村善郎さんとはなさんが浅草で開いた喫茶店。そこに6年通い詰めた作家さんが二人の人生の幕が閉じるまでを寄り添うように写真に収めた作品。80歳と90歳を超えた二人の姿は幸せの一つの究極の形のようにすら思えてきます。
実は僕が一番この作品に惹かれたのは巻末の二人の人生の略歴でした。関東大震災や太平洋戦争、復興、そしてバブル、現在。
二人の人生は歴史に残るような劇的なものではないのかもしれませんが、人間が生を全うするということは、それだけでこうもドラマチックなのかと鳥肌が立ち、やがて目頭が熱くなってきます。

僕もpointweatherというお店をオープンした時は二人で始めました。別れがあり、やがてまた出会いがあり、そしてまた別れがあったりしたりするのですが、振り返ってみると辛かった思い出も楽しかった思い出も、やがて溶けあい、いい思い出というものに変わってきたような気がします。

はなさんがお店を始めたのは43歳の時だったそうです。
ずいぶん長い間コーヒーを淹れたり、カレーを作っているような気がしていましたが、人生のまだ半分にもなっていないのかと思い、なんだか少し苦笑いです。
先のことは、やはりいつだってわからないし、想像するほど簡単なことではないということは身をもって知っているのですが、それでもやはり日々を共有しあって生きる姿には憧れを感じてしまいます。

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