少し前の話になるのですが、開始と同時に訪れた横浜トリエンナーレ。
あまり知られていないかもですが、この横浜発のアートの祭典はメインの美術館、赤レンガ倉庫以外にもサテライト企画が幾つかあります。
それらを一気に回れる周遊チケット、お得という言葉に何よりも弱い私はついふらふらっとそれを購入したのですが。知っているようで意外と奥が深い港町ヨコハマ。
結構な量の汗をかきながらbankart、黄金町バザール、そして寿町の工事現場と彷徨い歩いてきました。
最近に訪れたのはbankart。展示名はその名も観光。。
しょっぱなから強烈なインスタレーションが。大霊廟Ⅱと名打ったこの作品はプログラミングとそしてふいごでメロディを奏でる怪しくもクセになるリコーダーの演奏。作家さん曰くゾンビ音楽ですということでしたが。。
世の中には不思議なことを考え出し、そしてそれを形にしていく人がいるものだと僕は改めて思うのでした。
屋外には珍獣百景。
そして室内には花が咲き乱れておりました。
足元にはさざなみ。
こちらも横浜トリエンナーレの本展時と同じで、少しフックが効いている、あるいは初見ではわかりにくい展示が多かったようにも思えました。
そんな中、一番好きだったのは太陽電池で回転する軋む大車輪。ぎっしぎっし言いながらひたすら回っておりました。。

この無骨なコンクリートの倉庫も来年には取り壊しが決まっているとか。
横浜が誇る美術の砦、願わくば二転三転、続行という知らせに淡い期待を抱いています。
舞台は変わって黄金町。
安定の路地裏感。
展示内容も負けず劣らずひりひりしたアンダーグラウンド感が漂います。


一番気になったのは失礼ですがとんでもなくボロいアパートの三階のとある部屋。チケット売り場のお姉さんが一番好きということで期待して訪れたのですが、あいにく作家不在のため入室することかないませんでした。。それにしてもすごいオーラ出ている物件だったなと。

ガタンゴトンと電車のリズムで揺れる物件。このこみ上げてくる気持ちをなんて表現したらいいのだろうか。
最後に紹介させてもらうのが寿町。
驚いたことに地域のシンボルでもあった、総合労働福祉会館、通称センターすっぽり無くなっていました。
かつて寿フリーコンサートという世界的にも稀有であろう福祉施設で行われる音楽フェスを見に行った時にお邪魔させてもらった建物。いつの間にか移転が決まっていたようで、工事現場、というか空き地に何やら怪しげな仮設劇場が出来上がっているじゃありませんか。
その名も水族館劇場。この更地をるなぱあくと名を打って、もうひとつの、この丗のような夢という舞台をこちらでぶちかますとのことであります。
ということはその開幕以前、すなわち僕が訪れた時は設営中。入ることができなかったのですが、作業中の劇団の方に図々しくも写真だけでも見せてもらえないですか。。とお願いしたところまさかの快諾。
本当にいい人!
入ってまず目を奪われるのはこの巨大な黒い円柱。福島の原発に向かって眼差しを向けるDADAモレという作品が圧巻のボリュームで異彩を放ちまくります。

他にもドザえもんなどの黒いユーモアに満ちた作品が並ぶ中、やはり鬼海さんのポートレート作品、かっこよかった!
ぺるそなシリーズの新作もありました。インパクトのあるモデルさんと二度見するようなタイトル。完成していない骨組みの工事現場自体もまた写真との相互作用で大きな作品となっているような気がしました。

それにしても寿町。以前に訪れた時は僕も緊張していたのか、過激な噂ばかり聞いていて身構えすぎてほとんど何も見えていなかったのですが、今回はのどかな昼下がり、緩やかない流れる時間と気持ちよさそうにお酒を飲む地元の人々の表情に何だか和んでしまいました。
寿町のイベントは終了してしまったようですが、bankart、そして黄金町のイベントは引き続き開催していると思います。
ぜひ遊びに行ってみてください!

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